このフレーズは海外ドラマ『フルハウス(Full House)』でジェシーが言ったセリフです。
But don’t be disappointed if there’s not bells going off and fireworks.
この文のポイントは
don’t be + 過去分詞
という形です。特に、受動態なのに don’t で否定している理由は、日本人学習者がつまずきやすい部分なので、ここを中心に解説します。
直訳と意訳
直訳
「でも、ベルが鳴り響いたり花火が上がらなくても、がっかりした状態にならないで」
意訳(自然な日本語)
「派手な感動がなくても、がっかりしないでね」
「大げさな演出がなくても、期待外れだと思わないで」
相手の気持ちを気遣いながら、期待値を下げるための一言です。
文の基本構造
この文のコアは次の形です。
Don’t be + 過去分詞
- don’t:否定の助動詞
- be:状態を表す動詞
- disappointed:感情の状態(過去分詞)
なぜ受動態なのに don’t なのか
受動態の否定= be 動詞を否定する
be disappointed は、文法的には
受動態の形です。
- disappoint(がっかりさせる)
- be disappointed(がっかりさせられた状態)
しかしここでは、「誰かにがっかりさせられる」という行為ではなく、
「がっかりした状態でいる」
ことを表しています。
否定するのは「行為」ではなく「状態」
この文で否定したいのは、
❌「がっかりさせること」
ではなく、
⭕「がっかりした状態になること」
そのため、
don’t + 動詞 ではなく
don’t be + 状態
という形になります。
なぜ don’t be になるのか
命令文の否定のルール
英語では、命令文を否定するとき、
Don’t + 動詞の原形
が基本ルールです。
- Be quiet.
→ Don’t be quiet. - Be late.
→ Don’t be late.
be も例外ではなく、
否定の命令文では don’t be が使われます。
be disappointed は「形容詞句」
disappointed は動詞の過去分詞ですが、
ここでは 形容詞 として使われています。
- be happy
- be sad
- be disappointed
これらはすべて
状態を表す表現です。
つまり、
Don’t be disappointed.
=「がっかりした状態にならないで」
となります。
なぜ aren’t ではないのか
日本人が疑問に思いやすい点として、
❌ Aren’t be disappointed.
という形を考えてしまうことがありますが、これは誤りです。
理由は、
- 命令文には主語がない
- be 動詞単体で否定できない
ためです。
命令文の否定は、必ず
don’t + 動詞
の形になります。
don’t be disappointed と don’t disappoint の違い
don’t disappoint
→ 「失望させるな」
→ 相手に向けた行為の禁止
don’t be disappointed
→ 「がっかりしないで」
→ 気持ち・状態への注意
今回のセリフは、
相手を気遣う言い方なので、後者が使われています。
if 以下の比喩表現
bells going off and fireworks
- bells going off
→ 大事件が起きる
→ 感動的な瞬間 - fireworks
→ 派手な演出
→ 劇的な出来事
つまり、
「誰もが驚くような感動」
の比喩です。
there’s not の口語表現
厳密には
there are no bells going off
ですが、会話では
- there’s not
- there’s no
とまとめて言うことがよくあります。
ドラマらしい自然な口語です。
文全体のニュアンス整理
But don’t be disappointed if there’s not bells going off and fireworks.
この一文は、
- 受動態の形で状態を表す
- 命令文の否定なので don’t が必要
- 相手の感情をコントロールしてほしい
- 比喩で期待値を下げている
という構造です。
応用できる同型表現
- Don’t be surprised if it rains.
(雨が降っても驚かないで) - Don’t be upset if he’s late.
(遅れても怒らないで) - Don’t be disappointed if it takes time.
(時間がかかってもがっかりしないで)
すべて
don’t be + 過去分詞(形容詞)
です。
覚えておくべきポイント
- 受動態でも命令文の否定は don’t
- be + 過去分詞 は「状態」
- 否定しているのは感情の状態
- aren’t は使えない
- 丁寧に期待を下げる表現
But don’t be disappointed if there’s not bells going off and fireworks.
は、「受動態」「命令文」「感情表現」が一文に詰まった、非常に学習価値の高いフレーズです。